―フォーラムから見えた、これからの暮らしの現実と備え―
2026年4月15日、全国高齢者等終身サポート事業者協会のフォーラムに参加しました。
今回の内容から見えてきたのは、
「身寄りのない問題」は特別な人の話ではなく、
これから多くの方に関わる“現実の課題”であるということです。
■ 問題は「亡くなった後」ではなく「生活の途中」で起きている
「身寄りがない」と聞くと、死後の手続きの問題を想像される方が多いかもしれません。
しかし実際には、それよりも前の段階で困りごとが生じています。
例えば、
・入院時に保証人がいない
・緊急連絡先を求められても頼れる人がいない
・医療や介護の方針について相談する相手がいない
こうした状況は、医療や福祉の現場では珍しいことではありません。
本来、医療行為の同意はご本人の意思に基づいて行われますが、
実際には、体調や認知機能の変化により、
ご本人だけで判断が難しい場面も出てきます。
その際に支える人がいないことで、
・治療や支援の判断が進まない
・退院後の生活が決められない
・必要なサービスにつながりにくい
といった状況が生じることがあります。
例えば、入院が必要になった際に保証人がいないことで手続きが進まなかったり、
体調を崩して救急搬送された際に、
医療機関から連絡を取るべき家族や関係者が分からず、
誰に状況を伝えればよいか判断に迷う場面もあります。
これは「特別なケース」ではなく、
今後さらに増えていくと考えられている課題です。
■「家族がいるから安心」とは限らない理由
これまで日本では、家族が支えることが前提とされてきました。
しかし現在、その前提は大きく変化しています。
・単身世帯や高齢者のみの世帯の増加
・子どもが遠方に住んでいるケース
・仕事や家庭の事情で関わることが難しい状況
また、将来的には「甥・姪」が最も近い親族となるケースも増えており、
従来のような家族支援が難しくなっています。
つまり、
「家族がいる=支えてもらえる」ではない時代に入ってきているのです。
■ 決めていないことが“困りごと”につながる理由
人生の後半には、さまざまな選択が求められます。
・どのような医療や介護を受けたいか
・どこで生活するか
・亡くなった後の手続きや葬儀・納骨をどうするか
これらについて準備がない場合、
・ご本人の希望が十分に反映されない
・医療機関や支援者が対応に迷う
・対応に時間がかかる
といったことが起こりやすくなります。
フォーラムでも、
「何も決まっていない状態は、関わる人すべてに迷いを生む」
という点が共有されていました。
すべてを決めておく必要はありませんが、
“少しでも方向性があること”が大きな助けになるとされています。
■ では、誰が支えるのか
こうした課題に対して、現在は
・家族
・医療機関
・福祉機関(地域包括支援センターなど)
・専門職(ケアマネジャー、相談員 等)
が連携しながら支えています。
しかし、それだけでは対応しきれないケースも増えており、
終身サポート事業のような新たな支援の役割が求められています。
■ あおばみよりの取り組み
私たちは、
・身元保証に関する支援
・生活に関する相談や見守り
・将来に向けた準備(エンディングノート等)
を通じて、地域の中で安心して生活を続けられるよう支援を行っています。
大切にしているのは、
「困ってから」だけでなく、
「困る前から関わること」です。
■ まずは「考えること」から
すべてを決める必要はありません。
ただ、
・誰に連絡をしてほしいか
・どんな生活を送りたいか
・どんな最期を迎えたいか
こうしたことを少しずつ考えていくことが、
将来の安心につながります。

